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国語という教科は性質を知っておこう!
中学受験の受験科目には算数・国語・理科・社会とありますが、国語という教科は他教科と比べてとても異質な教科です。 ここを意識していないと成果の上がらない勉強法を採用することになり、いくら時間をかけても徒労に終わってしまいます。要はいつまでも学習の開始段階でつまずいてしまうわけです。 逆にこの性質を押さえて勉強すれば、他者よりもずっと効率的に成果を得ることができます。国語の逆転合格には欠かせない要素です。

国語の異質性
- 他教科では分野ごとに個別的に問われるのに対して、国語は常に総合的能力を問われる!
- 努力が結果に反映されない!
- 結論を頭に入れてもムダ!
- 他教科にも波及する!
- 知識よりも能力・センスで決まる!
- できない者に対する特効薬がない!
国語という教科の性質
他教科は分野ごとに個別的に問われるのに対して、国語は常に総合的能力を問われる!
算数や理科、社会は多くの分野・問題によって構成されていて、分野ごとに個別的に問われます。たとえば、算数なら「文章題」であったり「平面図形」であったり様々な分野に分かれて出題されます。理科も社会も同様です。 しかし、国語はそうではありません。国語の配点の90%はいわゆる読解問題です。そしてそれはいつも、「与えられた文章を的確に読み、正しく判断し、正確に表現する」という総合力を問う問題です。 つまり国語だけが全体的な能力を聞いてくるのです。そして「文章を読む力」・「判断する力」・「表現する力」すべてが備わって、初めて点数につながります。どれ一つ欠けても点にはなりません。そういうところに学習の難しさがあります。
答えは試験の問題(文章)に書いてある!
一般的に試験というのは、自分で覚えた知識をアウトプットするものです。試験問題に答えなど当然書いてありません。 しかし国語の答えは、与えられた文章中に書いてあるのです。それが他教科と比べて極めて異質なところです。 大人にとっては当たり前の事実ですが、国語を苦手にする小学生の中にはこのことがいまいちピンときてない子供がいます。もしお子様が国語が苦手であれば、一度このような初歩的なことを確認されてみるのもよいかと思います。 また、一度抜き出し問題ばかりあたって、はじめから答えを見て文中からその箇所に線を引いて、問題と確認してみるのも良い勉強法かと思います。
センスでほぼ全て決まってしまう
国語のの読解に関しては、他教科のように知識を覚えれば解決できるものではありません。なんとも言えない国語読解特有の感覚が存在し、その感覚が与えられた文章や問題に近ければ高得点が取れ、そうでなければ低い得点となります。 この特有な感覚を、よくセンスという言葉で払わされることがあります。
努力が結果に反映されない。
したがって、国語は他教科と違って正しい感覚を持ち合わせていれば、それほど努力しなくても高得点が望めます。 他教科は試験範囲を準備するほど点数につながりますが、国語はそういう特別な準備はいりません。 その代わり正しい感覚を持ち合わせていることがなによりも重要です。
逆にそれがない限り、どんなに大量に問題を解いてもできるようになりません。得意な者は放っておいても難なく高得点を取れ、不得意な者はどんなに勉強したって点が取れない。それが国語という試験教科の本質です。
つまり国語は、要領を身につけたかどうかという一点で勝負が決まるのです。それができていなかったら、いくら時間をかけてもまったくの無意味なのです。国語ほど、労力が結果につながらない教科はありません。国語の成果は、結果に結びつく努力をしたかどうかの問題なのです。
結論を頭に入れてもムダ!
正しい勉強法を知らない国語の苦手な受験生は、親や先生の目を気にしてか、答えを覚えて復習時に全部答えることで一応勉強したことにするケースが少なくありません。 でもそれはまったく無駄な行為です。どんなに問題演習をしても、その文章や問題が出る可能性はゼロに近いわけで、答えを暗記しても全く無意味な教科だからです。
これが国語苦手者にとっては、かなりつらい事実です。他の教科は、結論を覚えればそこそこの点数は取れる。少なくとも努力が結果につながる実感は持てる。算数ですら「理想的な解法」という結論をひたすら覚えることで一定の点数が見込めます。しかし国語にはそれがないのです。
結果よりも過程が重要!これが国語学習の本質です。
他教科にも波及する!
算数・理科・社会といった他教科が日本語で記述されているだけに、国語力が他教科に与える影響は非常に大きいと考えます。算数や社会・理科の失点の中には、国語力の欠如が原因になっていることも十分考えられます。
逆にいえば国語力を改善することで他教科においても問題理解が深まり、他教科の成績も上昇する可能性は大いに考えられるところです。
知識よりも能力で決まる!
他教科は知識の量で点数が大きく変わるのに対して、国語は本人にどれだけ能力があるかということが大きな比重を持ちます。 ここを履き違えて、他教科と同列にとらえて努力する限り、結果は絶対に出てこないと言い切れます。 ちょっと言いにくいのですが誤解を恐れずにいえば、国語の成績が悪ければ悪いほど多くの能力的要素がダメなのです。ここを理解していなと、完全に努力の方向を見誤ります。
だからといって諦めろというわけではありません。国語苦手克服を考えるうえでは能力を高めるという視点で勉強法を考える必要があるということを言いたいのです。
苦手者に対する特効薬がない!
受験業界における一般的指導は、「問題を与えて、解かせて、解釈論的な解説を繰り返す」という指導です。そしてこれを延々繰り返すことによって、国語に対する慣れが生まれ、力がついてくると信じられています。 これは数十年も前からずっと変わらない伝統的指導法で、教師ですら子供の頃からそのような指導を受け染み込んでいる手法です。 しかし、この方法がなかなかうまくいかない生徒も実際に多数存在します。そういう生徒は他に方法がないだけに非常に苦しみます。
知識をスムーズに積み込めば比較的対応ができる算数・理科・社会と異なり、国語の特効薬は稀有の存在であるのが現実です。
国語の学び方を変えなくてはいけない!
国語に限らずどんなことであっても、従来の方法で成果が出ないのであれば、方法を変える必要があるかと思います。その方法を続けても、おそらく特別な変化はないだろうと考えられるからです。 国語であれば国語の学び方を変える必要が出てきます。 しかも今までの失った時間を取り戻すためには、より短期間で成果を出す必要があるかと思われます。
どういう方法を選ぶべきか
国語を克服するのが目的であれば、国語という難敵をよく理解している方法が最善の判断かと思います。 そのために判断基準の参考になるものとして、このような国語の性質を具体的に記載しました。
国語の性質から自分の指導法に取り入れた要素は
このような国語の特質から、自分の指導法に加え、常に意識している要素は以下のような点です。
- センスを具体的に鍛える指導法。根性論ではダメ。
- センスも含めた能力を鍛える指導法…国語という制限時間のもとで得点を争うゲームに必要な能力を高める。
- 答えを出す過程にこそ焦点を当てて教える指導法
- 従来的な指導法のもとで結果が出ず、国語を苦手にしている者に適した指導法