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親が葛藤する2つの考え
今子供の成績が悪いとします。 そんな場合、おそらく次の2つの考えがよぎるのではないでしょうか?
国語の成績が悪いのは今だけで、今の先生についていけばそのうち成績は上がるんじゃないだろうか?
今手をこまねいていれば、この後ズルズル行って取り返しがつかなくなってしまう!早めに手を打たなくては!
コストのことを考えると、今の塾にいく以上前者のほうがありがたいでしょう。しかし成績が悪いまま本番を迎え 結果も悪いものになれば、遥か大きな後悔とコストを将来に渡って払うことになってしまいます。
非常に頭を痛めるところかと思います。
勉強するのは本人ですが…
中学受験の国語においては、指導法によって大きく実力が変わってきます。受験生にとって指導者選びが最も鍵になるといっても過言ではありません。 勉強するのは本人ですが、指導者を選ぶのは親なのです。そのもとで本人は頑張るしかありません。
国語苦手者が受けてきた指導の特徴
ここでは、国語が苦手になった生徒からよく聞く、これまで受けてきた指導法の特徴についてお話しします。「今は成績が悪いけれども、この先生についていれば、そのうち成績は上がる」と判断できるのか、それとも早めに手を打つべきなのか。その判断材料になれば幸いです。もしこの逆の点が多ければ、今の教師についていくことはありかもしれません。 塾ではなく、家庭教師等の判断についてもこの見方が有効だと思います。
成果が出ない典型的な指導法
「なんとなく」的カンを養うだけのあいまい指導
おなたのお子様は国語をカンで解いてないでしょうか? 任意の問題について「どうしてこの答えにしたのか?」聞いて見てください。「なんとなく~」みたいな返事であれば、かなり注意が必要です。もしこれが習慣化されているのであれば、今後国語が得意になることはまずありません。
ゆうこママ
なんでこの答えにしたの?
受験生しんご
う~ん。
なんか、これじゃない~?
ゆうこママ
・・・
これはまったく国語がわかっていないのか、そうやることが正しいと思える指導を受けてきたのか。どちらにしろ、このままでは国語に関しては将来はないと思われます。ここは基本の基本であって、すぐに矯正が必要です。
今国語が苦手であれば、受講されている国語指導が結果的に「なんとなく」的長文読解のカンを養うだけのあいまい教育になっていないでしょうか?
はじめに答えありきの結果論的・理想論的解説
解法に一貫性がない
塾の授業というのは、たいていの場合マニュアルが用意されていて、その通りに授業していくことが教師には求められます。そこにははじめから正解は決まっていて、それ以外の答えの可能性については排他的に指導されることがとても多いのです。それは、その答えを正解にするための単なるつじつま合わせにすぎない指導になりやすく、だから解法に統一性がありません。 ある問題はこう考えるけど、ある問題はまったく別の思考法で解くという指導では、聞いている方としては混乱してしまいます。テストのときに迷うのは当然のことです。
選択問題は不公平な解説
はじめから答えが決まっているので、選択問題では説明に公平さがありません。
正解選択肢ばかりではなく、間違っている選択肢も公平に扱って正誤を判断するという見方が必要なのに、それは無駄と考えられて授業では欠如されてしまいます。
文章の完全理解を前提とした解説
よく見かける授業としては、完璧に文章を理解したうえで、問題解説を繰り広げていく指導です。 この指導を取り入れて自分のものにできるのであれば、受講する価値はあると思います。 しかし言いかえれば、内容を完全に読みとれた者だけしか役に立たない授業です。これは大人でもなかなかできることではありません。 これについて行けるのであればよいかと思いますが、そうでなければ再考する必要があると思います。
与えられた文章にしか対応できない解説
本番の試験では初めて見る文章が出ます。だから本来は未知の文章に対応した対策を取らなくてはいけません。 しかしそれに対して多くの指導は、与えられた文章・問題にしか対応できない指導が多いのです。 これで、本番の試験でどうしろと言うのでしょうか? いくら国語の授業を受けても一向に成果が出ないのは、こういう指導法に原因があるように思えてなりません。
成績が悪ければ、原因は生徒の努力不足で済まされる。
学ばない教師が多い
あなたの子供が入試で落ちても、塾は責任を負いません。大抵の場合「自分たちの指導はベスト。成績が悪いのは生徒が悪い」という態度を貫きます。
こういう指導を受けていない?
- 「なんとなく」的カンを養うだけのあいまい指導。…ただやっているだけ。ほぼ気休め。
- はじめに答えありきの結果論的・理想論的解説…要は教師の解釈論の押し付け。解法に統一性がない。
- 文章の完全理解が前提の解説…たいていの小学生はとてもついていけない。難しさだけが残る。
- 与えられた文章にしか対応できない指導…本番では初めて見る文章・問題が出るのに。これでは対処するすべがない。
- 成績が悪ければ、原因は生徒の努力不足という主張…改善につながる具体論を出せない。
先生のことはよくわからない…という場合の手立て
ママ子
じゃ、こういう先生だったら ちょっと考えたほうがいいわね。
ママ美
でもさ、先生どんな授業しているか知ってるの?
ママ子
そういえば…
まずは子供に聞いてみる
まずは子供にそれとなく授業のことを聞いてみることです。特に上述したことをチェックリストにして準備しておけば、意外に本人はいろいろ話すかもしれません。 テストの解き直しを一緒にしようといって、そういうことを尋ねてみるのもよいかもしれません。
ノートを見てみる
国語のノートを見てみるのも、普段どういう指導をしているのかを知る有効な方法です。具体的には以下のような点をチェックしていきます。
国語のノートでチェックするところ
- 読解をするうえでのポイントなど書かれてないか?
- 答えまでの道筋
- 試験での再現はあるものなのか?無理なことを言ってないか?
ただし、問いの答えぐらいしか書いてない場合は論外ですね。現在子供の成績が悪いうえにこのような状況なら、とても近い未来に好転するとは思えません。
授業を見学してみる
もし塾が親の見学を許可するようでしたら、一度足を運んでみるのも有効です。手っ取り早く、判断材料を手にすることができます。 これは家庭教師にも使える方法です。 ただし、塾によっては秘密主義にしていて親の見学を許可しない塾もありますので、そこは問い合わせてみての判断になるでしょう。 そういう塾は指導力もあまり期待できないことが多いですけどね。
先生に相談してみる
教師の力量は相談してみればわかります。 「うちの子、いつまでたっても成績がよくならないのですが・・・」と実際に尋ねてみてください。実力ある教師なら、改善につながる具体的なアドバイスをしてくるでしょう。 逆に力のない教師はそういう話はなく、根拠もなく「そのうち上がりますよ」と目をそらさせたり、「もっと勉強してください」という話をするだけです。
ボイスレコーダーを持たせる
ここまでの方法で教師の情報があまり得られなければ、最終手段としてボイスレコーダーをもたせるという方法があります。親子ともに後ろめたい気持ちになるかもしれないのであまりおすすめできないのですが、お子様の将来に関わってくるので、上記の方法で解決できなければ最終的にはこれもありかと思います。 ただし、子供に預けても録音を忘れたり、うまく操作ができなかったりすることがあります。 場合によっては塾まで送っていって送り出す直前にスイッチを入れてカバンに入れてあげるという配慮はあっても良いかもしれません。 そのまま授業を受けてもらって、帰りも塾に迎えに行きその場でボイスレコーダーを受け取るようにすれば、子供への負担は少ないかと思います。
塾内で成績がよくても、合格できない生徒が続出する場合がある
なにが原因か?
算数ほど多くはないですが、塾の偏差値が良いのに受からない生徒が続出するのが場合があります。近年の塾の不合格者の傾向がこのような場合、少し注意したほうがよいでしょう。 ひとつの大きな要因は、塾の問題と入試作問者の問題とでは作問の仕方が異なりすぎるため、実際の各校の入試問題に本人が対応できないことが挙げられます。
使っている教材をチェックしてみよう
国語は他教科と比べて比較的本番でも塾の成績が反映されやすいのですが、塾内で採用される問題が過去問とは大分ずれている場合があります。
そういう場合は注意が必要です。
塾で成績良くても安心できない?
- 塾内で成績がよくても、合格できない生徒が続出…塾内のテストと作問方法が異なるため、実際の各校の入試問題に本人が対応できない。